CONTAX 再考


習作:Get!Contax!




うちの裏ページの Contax 再考用に撮った写真なのですが、裏を全然手をつける暇(?)がなく、せっかく HASSELBLAD で撮ったのだから、「こっちで載せちゃえ!」というまったくもっていい加減な理由でできてしまいました。
しかも、4カットしかないのは、「他のレンズがこのスタイルで撮るにはまったくもって変化に乏しい絵になってしまい、そうやって考えてるうちに面倒になった」という、現状一番当てはまる答えになっているのが情けない。
まあ、でも、せっかくこのページまで開けてくれた方々には申し訳ないし、せっかく Contax のレンズの話題になったのだから、ちょろっとだけ再考します。




CarlZeiss Planar135mmF2 T*

あいかわらず、最高のレンズ。このレンズを越えるレンズがでてくるのかどうか。なにを撮ってもOK。開放から最小絞りまで、どこで撮ってもすばらしい。いつも思う事ではあるが、Planarタイプのレンズは標準から望遠までが製造可能なターゲットなのであろうが、このレンズに Sonnar は勝てないと思う。もちろん Sonnar は好きなレンズだし、100mmF3.5 なんかもかなり好きな部類だし、日本設計というのが泣かせるし(笑)。でも、この135mmには勝てない。最近の Canon の中望遠はきちっと見てないので何とも言えないが、あるいは勝てるのは、これだけかもしれない。ライカのレンズもすばらしく良いが、やっぱり被写体を選んでしまうレンズだと思うし、根本的な設計思想が違う。
まあ、良い事ばかり書きまくってもしょうがないので、悪い所もひとつふたつ。まず、入手が困難なこと。欲しくて買いに出かけても、まず買えない。製造中止になってるし、何周年記念とかで、たまに数百本作るだけ。メーカーはそんなにも中古市場にプレミアを付けたいのか?不思議でしょうがない。それと、高い。中古市場で新品で売られた頃よりかなり高い。

話がちょっと逸れるが、私は、カメラのコレクションはまだ許せても、レンズのコレクションは許せない。もちろん写真を撮っているなら別だが、年にほんの数枚しか撮らずにキャビネットに入っているままなのは許せない。世の中にはそのレンズで撮りたい写真がいくらでもあるという人がたくさんいるという事を忘れないで欲しい。市場に出る割合が多くなれば自然と中古価格も低くなり、本当に使いたい人に回るようになると思う。
決して、「写真がうまいから使う」「下手だから安いレンズでかまわない」という事じゃないですよ。そんなことはどうでも良い事で、純粋に使う使わないの話です。この手の話になると「プロだから使う」「アマにはもったいない」なんてのも出てくるが、まったくもってナンセンスです。
逆に私みたいな職業カメラマンにこそもったいない。使い方が荒いし、実際そんなに高性能なレンズが必要な仕事をしているかと言われたら疑問が残る。どんなに大きく伸ばすにしてもせいぜい A4 ぐらいの印刷原稿に使う写真である。正直印刷になってしまったらどんなレンズで撮っても微妙な差しかつかない事が分かる。ましてや、大抵の写真が手札もしくは、それより小さくなって印刷されるのだ。レンズが云々なんて話どころじゃないでしょ。それよりも、毎月毎月、何十枚、何百枚と 8x10 のプリントを作っているアマチュアや、作家のほうがレンズにしてみれば、はるかに有意義な使われ方だろう。
話がずいぶん別な方向にいってしまったが、このレンズにもそういった部分がかなりある。




CarlZeiss Distagon18mmF4 T*

今日ではスペック的になんとも普通になってしまった感じがするレンズであるが、実力は素晴らしい。シャープネスはちょっと喰い足りないところがあるが、レトロフォーカスタイプのレンズにしてはかなりディストーションも整理されているし、CarlZeissの広角レンズによく見られる独特のマッタリとした階調は好きだ。近年 Canon から出た 20mmなどと比べても遜色ないと思うがどうだろうか?
この Distagon は二十年も前の設計であるし、Canonはここ数年のうちに設計されたレンズである。しかも F4.0であるがゆえ、開放からきれいなピントを結ぶ。但し、開放は周辺光量不足が目立つ。が、F5.6まで絞るときっちり改善される。CarlZeissには珍しく、大きさ、重さともうるさくない程度にコンパクトである。欠点はフィルターを付ける時のとりまわしが、かなり面倒だ。ネジ切りしてないので、純正部品を使うか(あるのか?)、かなり工夫して付けなければいけない。私はガラスフィルターを使う事はほとんどないので、そんなには苦労してないが、ゼラチンフィルターを使う時はいつもパーマセルテープなどで、とめて使う羽目になるので面倒この上ない。
実際、35mm超広角の部類にはいる 18mm自体が、公私共にそれほど出番があるわけではないので、フィルターを使う機会も少なくなると思うのだが、実を言うとそうではなかったりする。例えば建物内観なんぞ撮る羽目になると、18mmの出番は飛躍的に多くなる(逆だ、18mmしか使わなくなる)し、フィルターの併用がほとんどになる。特定の状況が面倒なことをさらに面倒にする。
さらに、記者会見、雑誌の取材、イベントの記録など、仕事のうえでのスナップ撮影は、ほとんどが屋内なので、F4という開放値は、重くのしかかってくる。どうしても開放では周辺光量不足が目立つので、F5.6まで絞りたくなるが、仕事で使うフィルムはEPP、PKLなど、せいぜいISO200までなので、被写体ぶれを覚悟して撮らなくてはいけなくなる。 しかし、こんなことで、このレンズの魅力がなくなる理由もなく、18mmという画角とあいまって、使う側を楽しくさせてくれる。




CarlZeiss Planar85mmF1.4 T*

うーん、やっぱりこのレンズには不満が残る。なにかというと只一点、開放と開放近くの描写だ。5.6、8、11など絞った時のシャープネスと解像力はものすごく素晴らしいのだが、とにかく1.4、2が辛い。近接のポートレートなどではあまり気にならない。真中心と周辺以外は像が乱れる事はないし、近接のポートレートでピント位置が真中心もしくは周辺にいくことがまれだからだ。これが、Contaxが公表している MTF 通りだというのが面白い。で、その MTF のグラフから推測すると決してよいレンズには見えなくなってくる。もちろん写真というものすごくあやふやな媒体の中で、たかが一枚のグラフで全てを決めてしまおうとする行為は、まったくもってナンセンスだが、一つの指標としては今の所かなり有効だと思う。



Tele-Tessar 300mmF4T*

別段、普通のレンズと、思う。と、言ってしまうと終りになってしまうのですが、いかんせんコダクローム200(PKL or KL)で、わずか 5,6 本回しただけなので、ここまでに止めときたいのです。材料が余りにも少ないのに批評されるのもレンズにしたら嫌でしょうし。(2003.11記)




Kodak EPP
HCL Scanning 10MB
HASSELBLAD503cx CF120mmf4 C250mmF5.6
PhotoShop7.0[Windows2000 Pro]
TheGIMP1.2.3[FreeBSD 4.8-RELEASE]






三沢達則[shooter@mue.biglobe.ne.jp]


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